フェンスも台風に備えて対策!メンテナンス方法も解説

2025.02.10

「どんなフェンスが台風に強い?」「台風に強いフェンスが知りたい」このようなお悩みを抱えていませんか。

強風でフェンスが倒れると、家や車、そして大切な家族にまで被害が及ぶ可能性があります。台風被害にあった方の多くは、「もっと早く対策しておけばよかった」という後悔の声がほとんどです。

本記事では、台風に強いフェンスの選び方、正しい設置方法、台風直前にできる簡単なメンテナンス方法まで、外構のプロの目線でわかりやすく解説します。DIYでの補強が不安な方やどんなフェンスが台風に強いのか知りたい方に、特に役立つ内容です。

台風でフェンスが倒れる3つの原因を解説

台風時にフェンスが倒れる原因を理解することで、効果的な対策が可能になります。

  • 強風による物理的な負荷
  • フェンスの構造的な弱点
  • 経年劣化とメンテナンス不足

1.強風による物理的な負荷

台風の強風は、フェンスに大きな圧力を与えて倒壊の危険を高めます。風速が上がるほど、フェンスの表面にかかる風圧が強くなり、特に支柱の根元や接合部分に負担が集中します。風速の目安は以下の表の通りです。

風速(m/s) 風の強さの表現 影響・現象
10-15 やや強い風 人は風に向かって歩きにくい。
傘をさせない。
樹木全体・電線が揺れる。
高速運転中の車が強風に流される。
雨樋が揺れる。
15-20 強い風 人は風に向かって歩けない。
一部の人は転倒する。
電線が音を立てる。看板やトタン板が外れる。
車が強風に流される。
屋根瓦・屋根葺材が剥がれる。
シャッターが揺れる。
20-25 非常に強い風 人は何かにつかまらないと立てない。
細い木の幹が折れ、倒れ始める。
看板が落下・飛散する。
車を通常の速度で運転することが困難になる。
屋根瓦・屋根葺材が剥がれ始める。
シャッターが揺れる。
25-30 非常に強い風
30-35 猛烈な風 固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる。
35-40 猛烈な風 屋外での行動は極めて危険。
走行中のトラックが横転する。
金属屋根の葺材が広範囲で剥がれる。
>40 猛烈な風 樹木・電柱・街灯が倒れる。
ブロック壁が倒壊する。
木造住宅が倒壊し始める。
鉄骨構造物が変形する。

気象庁「風の強さとふき方」を参考に作成

負荷が続くと、フェンス全体が傾いたり、最悪の場合は倒壊することもあります。また、風の向きや速度が急激に変わることで、フェンスが強く揺れて構造的な弱点が露呈することも少なくありません。事前に支柱の固定状況を確認し、緩んでいる箇所があれば補強しておきましょう。

2.フェンスの構造的な弱点

フェンスの設計や施工に問題があると、台風の強風に対して非常に弱くなります。たとえば以下の場合です。

  • 支柱が浅く埋められている場合
  • 接合部分の固定が不十分な場合

このような場合は、強風で簡単に傾いたり倒れたりすることがあります。また、軽量な素材を使用したフェンスは、風の力を受けやすく不安定になります。台風対策として、しっかりとした基礎工事を行い、金具やボルトで頑丈に固定することが重要です。

3.経年劣化とメンテナンス不足

フェンスは長年使用することで、少しずつ劣化します。特に、金属部分は錆びやすく、木材は腐食することがあります。さらに、接合部分のネジが緩み、ヒビ割れが発生することで、耐風性能が低下するでしょう。

特に、定期的なメンテナンスを怠ると、台風の強風で簡単に壊れる危険が高まります。日頃からフェンスの状態を確認し、錆びた部分の塗装や、緩んだネジの締め直しを行い台風被害を未然に防ぎます。

台風に強いフェンスの選び方3選

台風に強いフェンスを選ぶためには、以下のポイントに注目しましょう。

フェンスの選び方
  • 耐風圧強度をチェックする
  • 素材ごとの耐久性の違いを知る
  • 目隠しフェンスと防風フェンスの違いを理解する

1.耐風圧強度をチェックする

台風に備えるためには、フェンスの耐風圧強度を確認します。耐風圧強度とは、どれくらいの風速まで耐えられるかを示す指標で、製品ごとに異なります。台風の多い地域では、風速40m/s以上に耐えるフェンスが安心です。

また、支柱の太さや埋め込みの深さ、使用する金具の強度も重要なポイントです。製品の仕様書やカタログで耐風性能を確認し、設置場所の環境に適したものを選びましょう。

2.素材ごとの耐久性の違いを理解する

フェンスに使用される素材によって、耐久性やメンテナンスのしやすさが異なります。素材ごとの違いは以下の表の通りです。

素材 耐久性 メンテナンスのしやすさ 特徴 台風対策適性
アルミ 高い 錆びにくく手間が少ない 強度が高く錆びにくい 適している
スチール 高い 錆びにくく手間が少ない 強度が高く錆びにくい 適している
木製 中程度 定期的な防腐処理が必要 自然でおしゃれな見た目 やや不向き
樹脂製 中程度 固定をしっかり行う必要あり 軽量で扱いやすい やや不向き

アルミやスチール製のフェンスは、強度が高く、錆びにくいため台風対策に適しています。一方、木製フェンスは見た目が自然でおしゃれですが、定期的な防腐処理が必要です。樹脂製フェンスは軽量で扱いやすいものの、強風に対しては固定をしっかり行うことが求められます。

設置場所の気候や環境を考慮して、最適な素材を選ぶことが大切です。

3.目隠しフェンスと防風フェンスの違いを理解する

主にフェンスには、目隠しフェンスと防風フェンスの2種類があります。2つのフェンスの違いは以下の表の通りです。

目隠しフェンス 防風フェンス
目的 プライバシー保護、視線の遮断 風の遮断、風圧の軽減
デザイン 完全に隙間がないものや、少し隙間があるもの 通風性を確保するために隙間があることが多い
素材 木材、樹脂、アルミなど多様 耐風性の高いアルミや強化ガラスなど
設置場所 庭、バルコニー、隣地境界など 海沿いや強風地域、屋上など
通気性 低い(ほぼ風を通さない) 中程度(適度な隙間で風圧を分散)
耐久性 素材によるが、風に弱い場合がある 高い耐風性能を持つ構造設計
コスト デザインや素材によって幅広い 耐風仕様のため比較的高価
メリット 外からの視線をしっかり遮断できる 強風から建物や庭を守れる
デメリット 風の影響を受けやすく倒壊のリスクがある プライバシー保護の効果は限定的

目隠しフェンスは、プライバシーを守るために隙間が少ないデザインが多いです。しかし、風の抵抗を受けやすい特徴があります。

一方、防風フェンスは、風を適度に通す構造になっており、風圧を分散することで倒壊しにくくなっています。台風対策としては防風フェンスが有効です。プライバシーも重視したい場合は、目隠しフェンスの中でも通気性の良いデザインを選ぶと良いでしょう。

台風被害を防ぐためのフェンス設置のポイント

台風によるフェンス被害を防ぐためには、適切な設置が不可欠です。

フェンス設置のポイント
  • 支柱を十分な深さまで地中に埋める
  • 地域にあった設置対策をする
  • プロの専門業者へ依頼する

支柱を十分な深さまで地中に埋める

支柱は十分な深さまで地中に埋め、コンクリートでしっかりと固定しましょう。フェンスの設置は、正しい施工方法を守ることで耐風性が大きく向上します。また、支柱同士をつなぐ補強材やクロスバーを追加すると、全体の強度が高まります。さらに、フェンスのパネル部分が風を受け流せるよう、適度な隙間を設けると効果的です。施工後も、接合部分の緩みがないか定期的に確認し、必要に応じて補強します。

地域特性に合わせた設置対策

フェンスの設置には、地域の気候や地形に応じた対策が重要です。海沿いの地域では、塩害に強いステンレス製の素材を選ぶと長持ちします。山間部や風の強い地域では、風の通り道を避けた設置や、風圧を分散できるデザインが効果的です。また、地域ごとの過去の台風被害を参考にしながら、最適なフェンスの設計を考えると良いでしょう。設置場所の特性を理解することが、台風被害を防ぐ第一歩です。

プロの専門業者へ依頼する

フェンスの設置はDIYで行うことも可能ですが、台風対策としては専門業者に依頼する方が安全です。業者は耐風性を考慮した設計や施工ができ、適切な材料や施工方法で強度を確保できます。また、施工後の保証やアフターサービスが付くことも多く、万が一のトラブルにも対応してもらえます。一方、DIYはコストを抑えられる利点がありますが、施工ミスが原因でフェンスが倒れるリスクもあるでしょう。安全性を重視するなら、プロに依頼するのが安心です。

台風直前にできるフェンスのメンテナンスと対策

台風直前には、フェンスの点検と応急対策が重要です。

  • 接合部分の緩みを確認する
  • 控えの柱を後から設置する
  • 可能であればフェンスを外す

接合部分の緩みを確認する

台風対策として、フェンスの接合部分の緩みを確認します。強風が緩んだ部分に力を加えると、フェンス全体が倒れる危険があるからです。例えば、ネジやボルトがしっかり固定されているか、フェンス同士のつなぎ目にガタつきがないかをチェックしましょう。もし緩みを見つけたら、ドライバーやレンチで締め直すだけで、強度が大きく向上します。

控えの柱を後から設置する

フェンスに控えの柱を追加することで、強度のアップが可能です。控えの柱はフェンスを支える補助的な柱で、風の力を分散してくれます。たとえば、既存のフェンスの後ろにL字型の金属支柱を固定し、地面にしっかりと埋め込むことで、安定感が増します。特に、風が直接当たる場所や高さのあるフェンスに効果的です。簡単な補強ですが、台風時の倒壊リスクを大幅に減らせます。

可能であればフェンスを外す

台風が接近している場合、可能ならフェンスを一時的に外すことが有効です。どんなに頑丈なフェンスでも、強烈な風には耐えきれない場合があります。取り外しが簡単なパネル型のフェンスなら、工具を使ってネジを外すだけで分解できます。特に、被害が心配な地域や、軽量のフェンスの場合におすすめの方法です。

台風対策をしてフェンスの被害を抑えよう

台風対策では、事前の準備と正しい知識が重要です。強風によるフェンス被害を防ぐためには、耐風圧強度の確認や適切な素材選び、正しい施工が不可欠です。

定期的なメンテナンスと台風直前の点検・補強も、被害を最小限に抑えます。安全な環境を守るため、今すぐ実践しましょう。