玄関スロープは後付け可能!設置の方法やメリット・デメリットを解説

「高齢の親がつまずきやすくなった」
「ベビーカーを押しながら玄関の段差を上がるのが大変」
「将来的にバリアフリー化を進めたい」
このような悩みから、玄関スロープの後付けを検討する方が増えています。しかし、いざ設置しようとすると「どのくらいの費用がかかる?」「DIYでも作れる?」など、気になる方も多いことでしょう。
本記事では、玄関スロープの後付け方法について詳しく解説し、さらに設置の利点や注意点、費用の目安を紹介しますので、ぜひご覧ください。
玄関スロープの工事費用相場
玄関スロープは後付けが可能で、実際に多くの家庭に設置されています。後付けが可能なのは、スロープが既存の玄関に合わせて設計できるからです。
スロープには簡易的なものから、本格的な施工が必要なものまで多様な種類があります。そのため、目的や予算に応じて選択可能です。業者に依頼して設置する場合の費用目安は以下の通りです。
項目 | 費用相場の目安 | 備考 |
玄関スロープ設置費用 | 40万円~50万円 | 手すりの工事費用を含む |
手すりなしの費用 | 約20万円 | 住宅では3m以上のスロープになるため、 手すりの設置を推奨 |
手すりなしの場合は費用を抑えられますが、安全性を考慮して手すりをつけることをお勧めします。
玄関スロープを後付けで設置する3つの方法
玄関スロープを後付けする方法には以下の、3つの選択肢があります。
- DIYをする
- レンタルする
- 業者に依頼する
1.DIYをする
DIYで玄関スロープを作る方法は、比較的低コストで設置できるのが魅力です。木材やブロック、スロープ用のゴムマットなどを使い、玄関の段差に合わせて作れます。
DIYのメリット | DIYの注意点 |
費用を抑えられる | 適切な勾配や滑り止め加工が必要 |
必要なサイズやデザインを自由に調整できる | しっかりと固定しないと使用中にずれる危険がある |
軽量な材料を選べば移動や撤去も簡単にできる |
安全に使用できるかどうかを慎重に判断し、必要に応じて専門家の意見を参考にしましょう。
2.レンタルする
短期間だけ玄関スロープが必要な場合は、レンタルするのも1つの方法です。レンタルのメリットと注意点は以下の通りです。
レンタルのメリット | レンタルの注意点 |
短期間なら購入するよりもコストを抑えられる | レンタル費用が長期間になると割高になる場合がある |
幅や長さ、材質などを選べるため自宅の玄関に適したものを利用できる | サイズやデザインの選択肢が限られる |
使わなくなったら返却できる | 玄関のスペースや利用者のニーズに完全に合わない場合がある |
レンタルする際は、費用や契約期間、設置方法などを事前に確認しましょう。
3.業者に依頼する
確実に安全で使いやすいスロープを設置したい場合は、専門業者に依頼するのが安心です。プロフェッショナルの技術を活かし、玄関のデザインや利用者のニーズに合ったスロープを作成できます。そのため、仕上がりの精度が高く、耐久性にも優れています。
業者に依頼するメリット | 業者に依頼する注意点 |
勾配や滑り止め加工など、安全性を確保した設計ができる | 他の方法に比べて費用が高くなる場合がある |
材質やデザインの選択肢も多く玄関の雰囲気に合わせたスロープを作れる | 施工に日数がかかる |
経験豊富な業者に依頼することで長期間安心して利用できる |
業者に依頼する場合は、経験豊富で丁寧な対応をしてくれる会社を選ぶことが重要です。
玄関スロープをつける3つのメリット
玄関スロープを付けると得られる主なメリットは以下の通りです。
- 車椅子やベビーカーの移動がスムーズになる
- 転倒のリスクを軽減できる
- 外構がおしゃれになる
1.車椅子やベビーカーの移動がスムーズになる
玄関にスロープを取り付けることで、車椅子やベビーカーの移動が容易になり、介助する人の負担も軽減されます。段差があると乗り越えるたびに力が必要ですが、スロープがあればスムーズに移動可能です。
特に、高齢者や足腰が弱い方にとっては、自力で出入りしやすくなり、外出の自由度が高まります。ベビーカーもスムーズに移動でき、親の負担も軽減されるでしょう。
2.転倒のリスクを軽減できる
玄関の段差は、つまずきや転倒の原因になります。特に、雨や雪の日は滑りやすいため危険です。
スロープを設置すれば、転倒してケガをするリスクを大幅に減らせます。高齢者や小さな子どもも安全に移動でき、手すりを併用すればさらに歩行が安定するでしょう。また、車椅子や歩行器を使う場合も移動しやすくなり、介助する側の負担も軽減されるでしょう。
3.外構がおしゃれになる
玄関スロープを設置すると、外構のデザインが洗練され、おしゃれな印象になります。段差だけの玄関に比べ、スロープがあることでアプローチに奥行きが生まれるためです。さらに、素材やデザインを工夫すれば、家のスタイルに調和させることも可能です。
例えば、天然石やタイルを使えば高級感が増し、木製ならナチュラルで温かみのある雰囲気になります。また、植栽や照明と組み合わせることで、機能性と美しさを兼ね備えた外観を演出できます。
玄関スロープを後付けする3つの注意点
玄関スロープは便利な設備ですが、後付けする際には以下の点に注意しましょう。
- 玄関周りに一定のスペースが必要になる
- 施工費用が予想以上にかかることがある
- 施工できない場合がある
1.玄関周りに一定のスペースが必要になる
玄関スロープを設置するには、十分なスペースが必要です。特に、勾配を緩やかにするためにはスロープの長さを十分に取る必要があり、車椅子が無理なく通れる勾配は屋外で高さ1mにつき15mが推奨されています。
そのため、敷地に余裕がないと設置が難しくなります。スペースが限られる場合は、折りたたみ式やコンパクトなスロープを検討するとよいでしょう。
また、L字型やS字型に設計を変更することで、限られたスペースでも効率よく勾配を確保できます。
2.施工費用が予想以上にかかることがある
特にコンクリート製のしっかりしたスロープは、材料費や人件費がかかり、数十万円になることもあります。費用を抑えたいなら、DIYでの設置も1つの方法です。DIYをする場合は、安全性を確保するために強度のある素材を選び、滑り止めを施すことが重要です。
3.施工できない場合がある
玄関前のスペースが狭い、階段の高さが大きいといった条件によっては、スロープの設置が難しくなります。その場合、勾配を適切に取れないことがあるため、昇降機や段差解消機の導入も選択肢の1つです。
例えば、電動昇降機ならスペースが限られていても安全に上り下りできます。また、階段に手すりを設置すれば、安定感が増し、転倒リスクを軽減できます。施工の可否は専門業者に相談し、現地調査を依頼することが重要です。
玄関スロープを後付けで設置する時の4つのポイント
後付けする際に考慮すべき4つのポイントを紹介します。
- 勾配を緩やかに調整する
- 十分な幅を確保する
- 滑りにくい素材を選ぶ
- 手すりを設置する
1.勾配を緩やかに調整する
スロープの勾配は、快適に利用するため緩やかにしましょう。勾配が急すぎると、車椅子やベビーカーが滑りやすくなり、移動が難しくなります。安全な勾配の目安は高さ1mに対して長さ15mとされています。設置前に長さを確保し、安全な設計を心がけましょう。
2.十分な幅を確保する
一般的に、車椅子がスムーズに通るには最低80cm以上の幅が必要です。幅を十分に確保することで、安全で快適な移動が可能になります。例えば、介助が必要な場合は、隣にサポートする人が立てるよう、さらに広めの設計が理想的です。
また、玄関のアプローチとスロープの幅を一致させることで、外観を美しく保てます。スペースが限られる場合は、折りたたみ式や取り外し可能なスロープの活用も検討しましょう。
3.滑りにくい素材を選ぶ
安全に使用するために、滑りにくい素材を選びましょう。スロープは屋外に設置されるため、雨や雪の日に滑りやすくなることがあります。滑りづらい素材と特徴は以下の通りです。
コンクリート製 | 滑り止め加工を施すことで安全性が向上する 表面にブラシ仕上げをしたり、ゴムチップを埋め込むと効果的 |
アルミ製 | 軽量で持ち運びやすい 滑り止めの溝があると効果UP |
ゴム製 | 滑りづらく安全性UP |
素材選びの際は、耐久性やメンテナンスのしやすさも考慮するとよいでしょう。
4.手すりを設置する
スロープに手すりを設置すると、歩行時の安定感が増し転倒リスクを軽減できます。特に、高齢者やリハビリ中の方にとって、手すりがあることで自分のペースで安全に移動しやすくなります。さらに、雨や雪の日には滑るリスクを軽減できるでしょう。適切な高さは75〜85cmとされ、丸型の手すりは握りやすく安定した支えになります。
まとめ
スロープを設置することで、車椅子やベビーカーの移動が楽になり、転倒のリスクを減らすことができます。また、外構のデザインにもプラスの効果があり、家の美観を向上させることができます。設置には十分なスペースが必要で、勾配や幅、安全性にも配慮することが重要です。滑りにくい素材の選定や、手すりの設置も考慮すべきポイントです。スペースが限られている場合は、折りたたみ式や取り外し可能なスロープも選択肢となります。