玄関スロープは後付け可能!設置の方法やメリット・デメリットを解説

2025.02.16

「高齢の親がつまずきやすくなった」

「ベビーカーを押しながら玄関の段差を上がるのが大変」

「将来的にバリアフリー化を進めたい」

このような悩みから、玄関スロープの後付けを検討する方が増えています。しかし、いざ設置しようとすると「どのくらいの費用がかかる?」「DIYでも作れる?」など、気になる方も多いことでしょう。

本記事では、玄関スロープの後付け方法について詳しく解説し、さらに設置の利点や注意点、費用の目安を紹介しますので、ぜひご覧ください。

玄関スロープの工事費用相場

玄関スロープは後付けが可能で、実際に多くの家庭に設置されています。後付けが可能なのは、スロープが既存の玄関に合わせて設計できるからです。

スロープには簡易的なものから、本格的な施工が必要なものまで多様な種類があります。そのため、目的や予算に応じて選択可能です。業者に依頼して設置する場合の費用目安は以下の通りです。

項目 費用相場の目安 備考
玄関スロープ設置費用 40万円~50万円 手すりの工事費用を含む
手すりなしの費用 約20万円 住宅では3m以上のスロープになるため、
手すりの設置を推奨

手すりなしの場合は費用を抑えられますが、安全性を考慮して手すりをつけることをお勧めします。

玄関スロープを後付けで設置する3つの方法

玄関スロープを後付けする方法には以下の、3つの選択肢があります。

  • DIYをする
  • レンタルする
  • 業者に依頼する

1.DIYをする

DIYで玄関スロープを作る方法は、比較的低コストで設置できるのが魅力です。木材やブロック、スロープ用のゴムマットなどを使い、玄関の段差に合わせて作れます。

DIYのメリット DIYの注意点
費用を抑えられる 適切な勾配や滑り止め加工が必要
必要なサイズやデザインを自由に調整できる しっかりと固定しないと使用中にずれる危険がある
軽量な材料を選べば移動や撤去も簡単にできる

安全に使用できるかどうかを慎重に判断し、必要に応じて専門家の意見を参考にしましょう。

2.レンタルする

短期間だけ玄関スロープが必要な場合は、レンタルするのも1つの方法です。レンタルのメリットと注意点は以下の通りです。

レンタルのメリット レンタルの注意点
短期間なら購入するよりもコストを抑えられる レンタル費用が長期間になると割高になる場合がある
幅や長さ、材質などを選べるため自宅の玄関に適したものを利用できる サイズやデザインの選択肢が限られる
使わなくなったら返却できる 玄関のスペースや利用者のニーズに完全に合わない場合がある

レンタルする際は、費用や契約期間、設置方法などを事前に確認しましょう。

3.業者に依頼する

確実に安全で使いやすいスロープを設置したい場合は、専門業者に依頼するのが安心です。プロフェッショナルの技術を活かし、玄関のデザインや利用者のニーズに合ったスロープを作成できます。そのため、仕上がりの精度が高く、耐久性にも優れています。

業者に依頼するメリット 業者に依頼する注意点
勾配や滑り止め加工など、安全性を確保した設計ができる 他の方法に比べて費用が高くなる場合がある
材質やデザインの選択肢も多く玄関の雰囲気に合わせたスロープを作れる 施工に日数がかかる
経験豊富な業者に依頼することで長期間安心して利用できる

業者に依頼する場合は、経験豊富で丁寧な対応をしてくれる会社を選ぶことが重要です。

玄関スロープをつける3つのメリット

玄関スロープを付けると得られる主なメリットは以下の通りです。

  • 車椅子やベビーカーの移動がスムーズになる
  • 転倒のリスクを軽減できる
  • 外構がおしゃれになる

1.車椅子やベビーカーの移動がスムーズになる

玄関にスロープを取り付けることで、車椅子やベビーカーの移動が容易になり、介助する人の負担も軽減されます。段差があると乗り越えるたびに力が必要ですが、スロープがあればスムーズに移動可能です。

特に、高齢者や足腰が弱い方にとっては、自力で出入りしやすくなり、外出の自由度が高まります。ベビーカーもスムーズに移動でき、親の負担も軽減されるでしょう。

2.転倒のリスクを軽減できる

玄関の段差は、つまずきや転倒の原因になります。特に、雨や雪の日は滑りやすいため危険です。

スロープを設置すれば、転倒してケガをするリスクを大幅に減らせます。高齢者や小さな子どもも安全に移動でき、手すりを併用すればさらに歩行が安定するでしょう。また、車椅子や歩行器を使う場合も移動しやすくなり、介助する側の負担も軽減されるでしょう。

3.外構がおしゃれになる

玄関スロープを設置すると、外構のデザインが洗練され、おしゃれな印象になります。段差だけの玄関に比べ、スロープがあることでアプローチに奥行きが生まれるためです。さらに、素材やデザインを工夫すれば、家のスタイルに調和させることも可能です。

例えば、天然石やタイルを使えば高級感が増し、木製ならナチュラルで温かみのある雰囲気になります。また、植栽や照明と組み合わせることで、機能性と美しさを兼ね備えた外観を演出できます。

玄関スロープを後付けする3つの注意点

玄関スロープは便利な設備ですが、後付けする際には以下の点に注意しましょう。

  • 玄関周りに一定のスペースが必要になる
  • 施工費用が予想以上にかかることがある
  • 施工できない場合がある

1.玄関周りに一定のスペースが必要になる

玄関スロープを設置するには、十分なスペースが必要です。特に、勾配を緩やかにするためにはスロープの長さを十分に取る必要があり、車椅子が無理なく通れる勾配は屋外で高さ1mにつき15mが推奨されています。

そのため、敷地に余裕がないと設置が難しくなります。スペースが限られる場合は、折りたたみ式やコンパクトなスロープを検討するとよいでしょう。

また、L字型やS字型に設計を変更することで、限られたスペースでも効率よく勾配を確保できます。

2.施工費用が予想以上にかかることがある

特にコンクリート製のしっかりしたスロープは、材料費や人件費がかかり、数十万円になることもあります。費用を抑えたいなら、DIYでの設置も1つの方法です。DIYをする場合は、安全性を確保するために強度のある素材を選び、滑り止めを施すことが重要です。

3.施工できない場合がある

玄関前のスペースが狭い、階段の高さが大きいといった条件によっては、スロープの設置が難しくなります。その場合、勾配を適切に取れないことがあるため、昇降機や段差解消機の導入も選択肢の1つです。

例えば、電動昇降機ならスペースが限られていても安全に上り下りできます。また、階段に手すりを設置すれば、安定感が増し、転倒リスクを軽減できます。施工の可否は専門業者に相談し、現地調査を依頼することが重要です。

玄関スロープを後付けで設置する時の4つのポイント

後付けする際に考慮すべき4つのポイントを紹介します。

  • 勾配を緩やかに調整する
  • 十分な幅を確保する
  • 滑りにくい素材を選ぶ
  • 手すりを設置する

1.勾配を緩やかに調整する

スロープの勾配は、快適に利用するため緩やかにしましょう。勾配が急すぎると、車椅子やベビーカーが滑りやすくなり、移動が難しくなります。安全な勾配の目安は高さ1mに対して長さ15mとされています。設置前に長さを確保し、安全な設計を心がけましょう。

2.十分な幅を確保する

一般的に、車椅子がスムーズに通るには最低80cm以上の幅が必要です。幅を十分に確保することで、安全で快適な移動が可能になります。例えば、介助が必要な場合は、隣にサポートする人が立てるよう、さらに広めの設計が理想的です。

また、玄関のアプローチとスロープの幅を一致させることで、外観を美しく保てます。スペースが限られる場合は、折りたたみ式や取り外し可能なスロープの活用も検討しましょう。

3.滑りにくい素材を選ぶ

安全に使用するために、滑りにくい素材を選びましょう。スロープは屋外に設置されるため、雨や雪の日に滑りやすくなることがあります。滑りづらい素材と特徴は以下の通りです。

コンクリート製 滑り止め加工を施すことで安全性が向上する
表面にブラシ仕上げをしたり、ゴムチップを埋め込むと効果的
アルミ製 軽量で持ち運びやすい
滑り止めの溝があると効果UP
ゴム製 滑りづらく安全性UP

素材選びの際は、耐久性やメンテナンスのしやすさも考慮するとよいでしょう。

4.手すりを設置する

スロープに手すりを設置すると、歩行時の安定感が増し転倒リスクを軽減できます。特に、高齢者やリハビリ中の方にとって、手すりがあることで自分のペースで安全に移動しやすくなります。さらに、雨や雪の日には滑るリスクを軽減できるでしょう。適切な高さは75〜85cmとされ、丸型の手すりは握りやすく安定した支えになります。

まとめ

スロープを設置することで、車椅子やベビーカーの移動が楽になり、転倒のリスクを減らすことができます。また、外構のデザインにもプラスの効果があり、家の美観を向上させることができます。設置には十分なスペースが必要で、勾配や幅、安全性にも配慮することが重要です。滑りにくい素材の選定や、手すりの設置も考慮すべきポイントです。スペースが限られている場合は、折りたたみ式や取り外し可能なスロープも選択肢となります。